以前に絵本の表紙を破れにくくする方法(絵本を破れにくくする方法・ブックフィルム(ブッカー)をしよう)として、ブックフィルム(ブックコートフィルム)をご紹介したのですが、今回はこのブックフィルム(ブックコートフィルム)の使用感を比較しました。
ブックフィルムとは?
図書館の本にカバーがしてあると思いますが、あの、シールタイプのピッタリと本に張り付いて保護できるフィルムのことです。
今回比較するのは、家庭で使いやすい量で販売をしている5種類
- フィルムルックス609(フィルムルックス)
- ピッチン(埼玉福祉会 SAIFUKU)
- カバーフィルム(ニチバン)
- 製本テープ図書館ブックフィルム(デビカ)
- ブックコートフィルムES(埼玉福祉会 SAIFUKU)
の
- 質感
- 裏紙の目盛りの細かさ
- 落書きされた場合の消しやすさ
- 貼り直しができるかどうか
を比較しました。
これからブックフィルム(ブックコートフィルム)を買おうと検討されている方におすすめの記事となっております。
本補修用のテープの比較についてはこちらの記事を参考に
⇒絵本補修用テープ~5種使用感比較・好みに合ったものを使いたい~
比較するブックフィルム・ブックコートフィルムのご紹介

(左からボンドフリーはさみとフィルム貼り定規)
- フィルムルックス609(フィルムルックス)
- ピッチン(埼玉福祉会 SAIFUKU)
- カバーフィルム(ニチバン)
- 製本テープ図書館ブックフィルム(デビカ)
- ブックコートフィルムES(埼玉福祉会 SAIFUKU)
です。

実際にフィルムを貼る場合は、ボンドフリーはさみがあると、とてもきれいに切れるのでおすすめです。
質感
実際に絵本のカバーに少しずつ貼るのが分かりやすいのですが、大切にしているものなので、今回はソフトカバータイプの絵本とほぼ同じ厚さと手触りの、こぐまちゃんカレンダー(昨年の)に貼って比較しました。
モデルになって頂いているので、こぐまちゃんのカレンダーの宣伝もしておきます。
表紙(絵本の場合、絵の見え方が変わるかどうかの参考)






商品名 | 質感 |
---|---|
フィルムルックス609 | 光沢あり。つるつるした手触り(テープを触ったときのツルツル感)。ほんの少し色が暗く見える(個人的に) |
ピッチン | 光沢あり。ザラザラした手触り。(marumanのスケッチブックと似た手触り)。 |
カバーフィルム | 光沢あり。つるつるした手触り(テープを触ったときのツルツル感) |
製本テープ図書館ブックフィルム | 光沢あり。つるつるした手触り(テープを触ったときのツルツル感) |
ブックコートフィルムES | 光沢あり。ほんの少しざらつくが、もとのカレンダーの肌触りに一番近い(marumanのスケッチブックより少しツルッとしている感じ)。 |
数字の部分(文字の見え方の参考)


商品名 | 質感 |
---|---|
フィルムルックス609 | ほんの少し色が暗く見える(個人的に) |
ピッチン | 透明 |
カバーフィルム | 透明 |
製本テープ図書館ブックフィルム | 透明 |
ブックコートフィルムES | ほんの少し色が暗く見える(個人的に) |
ちなみに、貼る前のフィルムは、どれも透明に見えます。
※恐らく、5種類横に見比べたので、見え方の違いで気になりますが、実際に使用するときは、1種類を表紙全面に貼るので、気にならないと思います。
(私は鈍いのか?ブックコートフィルムESを他にも色紙のコーティングに使ったりしているのですが、見え方の違いを今まで気が付かなかったです。)
また、見え方は各人の視覚やご覧いただく画面の機能などに影響されるので、参考程度にお願いします。
ここでは、肌触りの違いで選ばれても良いのかな?と思います。
次に、各社のフィルムの特徴をまとめてみました。
各ブックコートフィルムの材質と厚さ
各社のフィルムの製品特徴
商品名 | 厚さ | 材質 | その他特徴 |
---|---|---|---|
フィルムルックス609 | 70μ | ポリ塩化ビニル | 抗菌機能 |
ピッチン | 75μ | ポリプロピレン | UVカット |
カバーフィルム | 記載なし | ポリプロピレン | 無し |
製本テープ図書館ブックフィルム | 90μ | ポリプロピレン | UVカット |
ブックコートフィルムES | 80μ | ポリ塩化ビニル | UVカット 食品衛生法クリア |
個人的な感覚でしかお伝えできないのですが、個人的にフィルムの柔らかさ(剥離紙から剥がし1センチ位のところで折り返してみた時の抵抗感)は以下になります。左が柔らかいです。
製本テープ図書館ブックフィルム(一番柔らかい)>ピッチン>フィルムルックス609>ニチバン>ブックコートフィルムES
このフィルムの柔らかさは、フィルムが厚いや、材質の違いでもない感じがしました。
しっかりしたフィルムの方が貼りやすい人と、柔らかな感じの方が貼りやすい人で好みが分かれそうです。
その他の機能で、UVカットのある無しで、日焼けがどのように違うのか、絵本補修用テープ~5種使用感比較・好みに合ったものを使いたい~のように、日光を当て続けて検証したいと思います。
裏紙の目盛りの細かさ
ブックコートフィルムをお手持ちの本に貼るときに、その本の大きさに合わせて切っていくと思うのですが、このとき、剥離紙の目盛りに沿って切っていくと思います。


裏紙の目盛りの細かさ


商品名 | 目盛りの幅 |
---|---|
フィルムルックス609 | 2cm |
ピッチン | 1cm |
カバーフィルム | 0.5cm |
製本テープ図書館ブックフィルム | 1cm |
ブックコートフィルムES | 1cm |
目盛りの幅が大きいと、細かく切ることができない(線を引いて目盛線を無視して切ればいいですが面倒)です。
ブックコートフィルムを貼ることに慣れるまでは、余裕をもたせて切ると思うので、気にならないと思いますが、ギリギリの量で多くの本をコーティングしたいとなると目盛りが大きいと不向きかもしれません。
落書きされた場合の消しやすさ
絵本をコーティングするときに、気になるのは汚れから守ってくれることだと思います。
特に小さいお子さんだと、目を離したすきに、落書きをしていることもあったりします。
ブックコートフィルムだと、表面の汚れは守ってくれるので、その場合の消しやすさを比較しました。
(ページ全面にフィルムを貼ることも手間ではありますが可能は可能です、ただ、それをするなら1歳児の絵本は破れないボードブックや破れにくいPP加工絵本がおすすめ!で紹介している、既にポリプロピレン加工(PP加工)をしてある絵本を購入されることをおすすめします。)



PP加工絵本なら水で消せるクレヨンだったのですが、落書きされても消せました。


油性ペン


各フィルムに油性マジックで当サイト「絵本のすゝめ はるの本棚」にちなんで、「ハル」と記載しました。
商品名 | 油性ペン |
---|---|
フィルムルックス609 | 書ける |
ピッチン | 書ける |
カバーフィルム | 書ける |
製本テープ図書館ブックフィルム | 書ける |
ブックコートフィルムES | 書ける |
この場合、書いた直後ではすぐに触ると手に色がつき、上手く書けませんが、数十秒乾くのをまつとどれも書くことが可能でした。
次にメラミンスポンジを使って消す事ができるか試しました。


乾いてすぐに消せるか(17日から23日の段)






商品名 | 消せるか(乾いてすぐ) |
---|---|
フィルムルックス609 | なかなか消えず文字のあとが残る |
ピッチン | すぐ消せた |
カバーフィルム | すぐ消せた |
製本テープ図書館ブックフィルム | すぐ消せた |
ブックコートフィルムES | 直ぐには消えなかったが最後は消えた |
乾いて2周間放置していたもの(24日から30日の週)




商品名 | 消せるか(2周間放置) |
---|---|
フィルムルックス609 | 文字の跡がうっすら残る |
ピッチン | 消せた |
カバーフィルム | 文字の跡がうっすら残る |
製本テープ図書館ブックフィルム | 消せた |
ブックコートフィルムES | 文字の跡がうっすら残る |
落書きされた場合、直後に消さなければうっすら残りはしますが、ブックコートフィルムをしていない状態で落書きされると消せないので、それに比べたら随分きれいになります。
また、教科書などにブックコートフィルムを貼った場合、上から名前を書き、捨てるときにはメラミンスポンジでこすって捨てれば良さそうです。
大事なのは、落書きに気がついたら直ぐに消すことです。
ボールペン(水性)・鉛筆・水で落とせるクレヨン




商品名 | ボールペン | 鉛筆 | 水で消せるクレヨン |
---|---|---|---|
フィルムルックス609 | 書けるが乾かないので直ぐに指で落ちる | 力を入れると薄っすら書ける | 書ける |
ピッチン | 書けるが乾かないので直ぐに指で落ちる | 力を入れると薄っすら書ける | 書ける |
カバーフィルム | 書けるが乾かないので直ぐに指で落ちる | 力を入れると薄っすら書ける | 書ける |
製本テープ図書館ブックフィルム | 書けるが乾かないので直ぐに指で落ちる | 力を入れると薄っすら書ける | 書ける |
ブックコートフィルムES | 書けるが乾かないので直ぐに指で落ちる | 力を入れると薄っすら書ける | 書ける |
2周間後消せるかどうかを試した結果








商品名 | ボールペン | 鉛筆 | 水で消せるクレヨン |
---|---|---|---|
フィルムルックス609 | 消せる | 消せる | 消せる |
ピッチン | 消せる | 消せる | 消せる |
カバーフィルム | 消せる | 消せる | 消せる |
製本テープ図書館ブックフィルム | 消せる | 消せる | 消せる |
ブックコートフィルムES | 消せる | 消せる | 消せる |
メラミンスポンジを使うとどれもきれいに消すことができました。
落書きをされた場合のことは考えずに(油性ペンの落書きが気になる方は参考にしていただいても)、肌触りや、ブックコートフィルムそのものの機能(UV加工や抗菌加工)、目盛り紙の大きさで選ぶのが、使いやすいと思います。
貼り直しができるかどうか
各社の説明ではこのように記載されています。
商品名 | 貼り直しできるか |
---|---|
フィルムルックス609 | 素材によりできない場合がある |
ピッチン | 記載なし |
カバーフィルム | 素材(和紙・新聞紙など)によりできない場合がある |
製本テープ図書館ブックフィルム | 貼り直しできません |
ブックコートフィルムES | 記載なし |
実際に、一度貼ってからストップウォッチで10秒測り、剥がせるか試したところ、全て剥がすことができました。
下の画像は、一度剥がしたものを貼り直したものです。


ただし、新聞のようなものだと剥がれてしまうので貼り直しはできません。
貼りたいものが、和紙や新聞のような、繊維の荒いものだと貼り直しできませんが、ある程度コーティングされていたりするものであれば、直後なら貼り直しできそうでした。
なので、貼り直せたらラッキーという感じですね。
ちなみに、丁寧に剥がさないと、テープが伸びるので注意が必要です。


今回紹介したブックコートフィルムたち
フィルムルックス609(フィルムルックス)
表面の質感 | 光沢あり。つるつるした手触り。 |
フィルム加工 | 抗菌加工 |
目盛りの大きさ | 2センチ |
サイズ | 32cm x 1.5m 50cm x 2m (A5 ・B5・A4・50cm・64cm・100cm)×25m 各本サイズカット版もあり |
ピッチン(埼玉福祉会 SAIFUKU)
表面の質感 | 光沢あり。エンボス加工 |
フィルム加工 | UV加工 |
目盛りの大きさ | 1センチ |
サイズ | 35cmX2m 50mmX10m |
カバーフィルム(ニチバン)
表面の質感 | 光沢あり。つるつるした手触り。 |
フィルム加工 | UV加工 |
目盛りの大きさ | 0.5センチ |
サイズ | 35cm×1.5m 45cm×1.5m (35mm・50mm)×8m |
製本テープ図書館ブックフィルム(デビカ)
表面の質感 | 光沢あり。つるつるした手触り。 |
フィルム加工 | UV加工 |
目盛りの大きさ | 1センチ |
サイズ | (A4・A3)×2m (A5・B5・B4・A4・A3)×25m 50mm×5m |
ブックコートフィルムES(埼玉福祉会 SAIFUKU)
表面の質感 | 光沢あり。エンボス加工 |
フィルム加工 | UV加工 |
目盛りの大きさ | 1センチ |
サイズ | 下記図参照。各サイズ50m・25m詳しくは公式サイト A4(35cm)は5m、10mと少量からもあり |


まとめ


- UV加工・エンボス加工・大容量が欲しいなら → ブックコートフィルムES(埼玉福祉会 SAIFUKU)
- UV加工・エンボス加工・少量なら → ピッチン(埼玉福祉会 SAIFUKU)
- UV加工・つるつるした手触りなら → 製本テープ図書館ブックフィルム(デビカ)
- 抗菌加工なら → フィルムルックス609(フィルムルックス)
- 目盛りが細かいものがいいなら → カバーフィルム(ニチバン)
- でおすすめします。
でおすすめします。

